SSブログ

トリニティ(アイリッシュ・ダンス)

 アイリッシュ・ダンスの面白いところは、きわめて現代風であるように見えるにもかかわらず、じつはアイルランドの伝統舞踊であること、にもかかわらず、「リバーダンス」が爆発的にヒットするまで、アイルランド人社会の外ではほとんど知られていなかったことである。日本でも、まったくといっていいほど知られていなかった。
 「リバーダンス」よりも先に商業的成功を収めたのは、シカゴの「トリニティ」である。5回目の来日である。前回はプログラムに解説を頼まれて書いた。ちなみに、かの「リバーダンス」を日本の雑誌で初めて紹介したのは、この私である。
 仕事に追われていると、ついダンス公演をさぼってしまいたくなるのだが、舞踊の研究者が舞踊を見なくなったらおしまいだ、と自分に言い聞かせて、浸かれた体に鞭打って見に行くと、たいてい「ああ、来てよかった」と思うのである。
 アイリッシュ・ダンスを見るのは久しぶりだ。ちなみに「リバーダンス」は今はもうない。
 思い出してみると、ロンドンに1年半滞在し、1995年夏に帰国する直前、ロンドンの地下鉄のいたるところに、「リバーダンス」のポスターが貼られた。ロンドンの地下鉄はどこもエスカレーターが日本よりもずっと長いのであるが、その横の壁にはたいていミュージカルやダンスやコンサートのポスターが貼られている。
 私はなんの予備知識もなかったので、なんだろうと首を傾げていたが、公演は私が帰国した後だったので、見ることはできなかった。が、ビデオを買って、日本に帰ってから見た。そして興奮した。
 何度も繰り返し見て、翌年、どうしても見たくて、ロンドンまで見に出かけた。
 「トリニティ」も、伝統舞踊を現代舞踊にアレンジしてあるが、「リバーダンス」ほど商業的ではなく、伝統舞踊の世界に近い。メンバーのなかにはいつも世界チャンピオンがいるが、今回も、2010-12年世界チャンピオンのピーター・デジャークと、2013年世界チャンピオンのタイラー・シュワルツのタップが鳥肌が立つほどすばらしかった。
 プログラムの写真 ↓
 
Trinity.jpg

nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。